目次
パートナーの浮気問題は気が滅入りますが、離婚をすればすべて解決なのでしょうか。
今回は、子どもがいる夫婦が離婚する場合の注意すべきポイントをまとめました。
離婚後の親子関係の難しさとは
子どもはどんな毒親も嫌いにならない
せっかく勝取った親権。当然ながらこれがゴールというわけではありません。
無償の愛で育てていたとしても、子どもはあなただけの子どもではないということを忘れてはいけません。
また、どんなに元パートナーの生活態度や婚姻に耐えかねる原因があったとしても、安易に事実を子どもにそれを伝えるのは考えものです。
なぜなら、どんな親であっても子どもと血縁関係があり、親であることに変わりないからです。
- 私は両親の離婚後、母に育てられましたが、父の悪口をおさない頃から言われていました。父のことを嫌いにはなれなかったな。会いたくても会わせてもらえなかったな。(埼玉県/まあちゃん(28歳))
- 僕の場合、母が何度も浮気をしていたのを小さい頃から目撃していました。父はあんな女を信じるなと言っていて気持ちはわかるし、自分も母親のせいでうまくいかないことを何度も恨みました。でも嫌いになれなくて、やっぱり離婚してほしくなかったです。(山梨県/イケダ(23歳)
「あなたのお父さんはお金遣いが荒くてね、最低だった」
「お前のお母さんは男を作って出ていった」
片親になることで、一番子どもに負担を与える部分はこういう親の愚痴によるストレスと、もう一方の親に会えなくなることです。
子どもの多くは多くを語らずとも親の様子を見ていれば離婚理由がなんとなくわかります。けれど、どちらかを本当に嫌いになることなどできません。
子どもが親に会いたい気持ちを妨害できない
一人で子育てすると、子どもの存在は無条件に愛情を注ぐためこれまでの男女の間に築いたような愛情の形とはずいぶん変化します。悩みながらも「この子のためなら」という言葉だけを支えに献身的な思いで育てることになるでしょう。それでも子どもは無情にも、別れたパートナーに「会いたい」ということもあります。難しい状況ですが、この場合においても否定できません。
一度は選んだあなたのパートナーが、子どもにとって親であることに変わりないのです。やるせない気持ちにもなると思いますが、よほどDVなどのハラスメントが原因の離婚でない限り、否定できないことを念頭におきましょう。
離婚のコンプレックスは親から派生する
離婚した両親のことを子ども自身がコンプレックスに思うとは限りません。
今は2つに1組が離婚する時代、もちろん円満な夫婦の家庭を目にすれば自分の家庭と比べて卑屈になる日もくるかもしれません。
しかし、ここがポイントですが結婚していまいが、離婚していまいが他人と比較する日などいくらでも訪れます。大切なのは、親であるご自身の気持ちがブレないようにすることです。
パートナーの暴力や、生活費を入れなかった、浮気が続いたなどの理由から子どもを守ったことは、子どもにとって誇らしい事実です。親の存在というのは人生で出会った初めての信頼できる関係性です。今はそばにいるたった一人の親であるあなたが、子どもの一生の信頼の存在でいられるようになることです。
夫婦喧嘩が耐えないから「子どものために離婚」がNGな理由
夫婦喧嘩が耐えないことが理由で、子どもの不安な表情を浮かべるたびに「このままじゃいけない」と思う人も多いでしょう。
今、まだ離婚をしていないならちょっと立ち止まってみてください。
子どもの辛そうな表情に出会ったなら、やるべきことはひとつ。離婚ではなく、あなたがひとつ大人になって、どうしたらパートナーとうまくやれるかを考えることです。
子どもの前で喧嘩をしてもいいの?
どんな大人だって、意見が食い違えば言い争うことはあります。ここは子どもには残酷かもしれませんが、夫婦の話し合いの時間も子どもにとって勉強の時間だと思って、ぐっと我慢しましょう。ただし、相手のせいにしたり、相手を貶めるような発言をする諍いは、そもそも話し合いの解決にもなりません。子どもの気持ちを考えるのならば相手を気遣った話あいをする習慣をつけましょう。子どもの表情をひとつの我に帰るための自分へのストッパーです。
- 相手を思いやった会話の仕方を考えること
- 相手の不足を認めて大目に見てあげること
- 相手の好きだった部分をかならず思い出すこと
この3つをするだけで子どもに悲しい思いをさせません。
長い間連れ添った夫婦が「それほど好きでなくなってしまったし、離婚も現実的に考えている」という人もいますが、お子さんがいるのなら自分の責任として受け止めるべきでしょう。どんな状況でも子どもを育てるのは親の責任です。
二人の問題はあくまで二人の問題。そもそも「子どものために」という言葉を理由に離婚を決意しても子どもにとってはありがたいことではありません。
ましてや再婚などは、親の都合にすぎません。
離婚をしたあとの子どもとの良好な関係づくりは、あなたがどれだけ自立できるかが肝心です。