探偵が身近な人はほとんどいないと思います。ですが、ある日突然必要に迫られる事態になった方々が探偵社を訪れます。 私もかつてはそうでした。一方で探偵社に関しての情報はなかなか分からないことが多く、ネット上ではさまざまな情報が混合玉石の状態であり、本当に分かりづらいものです。 口コミを見てもまるで広告のようですし、本当の話はなかなか分かりません。
私はたまたま近くにいた方から直接実態を聞くことが出来たので良かったですが、 きっと多くの方がわかりづらさを感じて悩まれるのではないかと思いますので、私の知る限りの情報で探偵社について説明させていただこうと思います。これから依頼をされる方の少しでも参考になればと思います。
目次
探偵社とは?
探偵社、探偵業について
日本国内に探偵社は5,000社あると言われています。江戸時代より存在していたという話もあるようですが、現代の探偵社は法律により定義されており、 誰でも自由になれるわけではありません。現在は届出制となっており、探偵業を始めるためには所在地を管轄する都道府県公安委員会に、所轄警察署長を経由して届け出を行います。
探偵業の業務の適正化に関する法律
探偵の業務は個人情報の最たるところを扱う業務です。かつては悪徳な業者が多かったようで、依頼者との金銭トラブルがあったり、違法な調査を行ったり、 ひどいものになると調査対象者に対して取得した証拠を使って恐喝まがいのことを行ったり、ストーカー犯罪を幇助するようなことを行うなどのグレーな業界でした。 こういったことを受けて平成18年6月8日に調査業のうち探偵業について、「探偵業の業務の適正化に関する法律」(以下「探偵業法」)が公布され、平成19年6月20日に施行されました。
探偵業法における定義
探偵業法によれば、探偵業務とは、
- 他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として
- 面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い
- その調査の結果を当該依頼者に報告する
- 警察庁HPより
業務をいいます。個人に関しての情報収集を行うという意味では取材などもそれらに当たるものですが、 探偵業の対象とならないものとして、報道やジャージャリストを始めとした取材活動や、学術的な分析を前提とした調査、 弁護士や税理士等の依頼によって個人の行動に関する情報収集を目的としているとは言えないものは適用対象外となっています。
欠格事由
一方で誰もが探偵業になれるのかというと、必ずしもそうではありません。欠格事由として以下の6つについては探偵業を営んではならないとされています。
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記1~4までのいずれかに該当するもの
- 法人でその役員のうちに上記1~4までのいずれかに該当する者があるもの
トラブルに繋がり兼ねない要素を排除していると言えそうです。 ですので、現代の探偵業者は上記の資格をクリアした人たちだけが営業を行っています。 届出をすると探偵業届出証明書(届出があったことを証する書面)が交付され、営業する際は探偵業届出証明書を営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。 他にも探偵業法で規定された様々な決まりがあり、それぞれの探偵社はその規定に則り営業を行っています。
仮に何らかの違反が起きた場合、以下のような罰則が設けられており、違反すると罰則が課せられます。
対象 罰則
届出をしないで探偵業を営んだ者 | 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
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届出書・添付書類に虚偽の記載をして提出した者 | 30万円以下の罰金 |
変更・廃止の届出書・添付書類を提出しなかった者 | 30万円以下の罰金 |
変更・廃止の届出書・添付書類に虚偽の記載をして提出した者 | 30万円以下の罰金 |
名義貸しをした者 | 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
契約を締結しようとするときに、重要事項について書面を交付しなかった者 | 30万円以下の罰金 |
必要事項を記載しない書面又は虚偽の記載のある書面を交付した者 | 30万円以下の罰金 |
従業員名簿を備え付けなかった者 | 30万円以下の罰金 |
従業者名簿に必要事項を記載せず、又は虚偽の記載をした者 | 30万円以下の罰金 |
都道府県公安委員会による報告・資料提出の求めに応じなかった者 | 30万円以下の罰金 |
報告・資料提出の求めに対し、虚偽の報告をし、又は虚偽の資料を提出した者 | 30万円以下の罰金 |
都道府県公安委員会による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者 | 30万円以下の罰金 |
都道府県公安委員会による指示に違反した者 | 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
都道府県公安委員会による営業停止命令に違反した者 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
都道府県公安委員会による営業廃止命令に違反した者 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
行政処分を受けたうち、いくつかの条件を満たした場合にはその内容が公表されます。 警視庁のホームページには行政処分を受けた探偵会社がリストアップされていますので、こちらも参照されると良いでしょう。
[警視庁]探偵業法に基づく行政処分 »探偵が行う業務
調査名称としてはいろいろな調査がありますが、基本となる業務は、
・尾行
・張り込み
・聞き込み
この3つとなります。
探偵業法で認められている業務ではありますが、だからといって違法な調査を行っていいというものではありません。
張り込みと言っても私有地に入り込んでの張り込みはNGですし、尾行が行き過ぎて付き纏いや盗撮を疑われてしまうといったことも起こりえます。
このあたりは法律の定義がまだまだ曖昧な部分もありますので、探偵社の調査技術、品質が高くなければ依頼した調査が違法調査につながってしまう可能性もあります。
調査の種類
さて、具体的に探偵が行う調査としてどんなものがあるでしょうか。 言葉としては非常に多くの名称があります。
・浮気調査
・不倫調査
・行動調査
・素行調査
・身上調査
・行方調査
・所在調査
・信用調査
・企業調査
・雇用調査 など
これらそれぞれに厳密な差はありますが、一般の方に関係があるものはそのほとんどが行動調査か、行方調査に分類出来るといえます。まずはそれぞれを見ていきましょう。
行動調査
行動調査は対象者の行動を調査するものです。いつ誰と会っていたか、どこへ行っていたか、といった個人の行動を追跡します。 尾行や張り込みがメインとなります。更に対象者の普段の生活態度まで踏み込んだものが素行調査です。 聞き込みも含めた調査となり、厳密には行動調査とは内容が異なりますが、いずれも個人の行動や普段の生活すべてを把握する調査になり、この中に浮気調査、不倫調査と呼ばれるものも入ってくることになります。 浮気調査は男女間の問題に関するものになりますが、他にも、従業員の素行を調査したり、反社会勢力との繋がりがないかなど、雇用調査や信用調査に繋がるものもあります。
浮気調査
言わずと知れたパートナーの浮気を調べる調査です。先ほどの行動調査、素行調査の中の1つのジャンルだと捉えていただければ良いかと思います。 ただ、浮気調査の場合は浮気が発覚した後に慰謝料を請求する、不貞をはたらいた相手に離婚を請求するなどの法的な行動のための証拠作りという側面があるため、 証拠能力として調査報告書が必要となります。不貞の定義として、”継続的な肉体関係”を証明する必要があり、これを証明する為には一度きりの不貞を証明するだけでは足りず、 複数回の不貞を押さえる必要があります。かつそれはホテルへの入りと出を押さえる必要がありそのためには少なくとも1〜2時間の時間を要する必要も有り、 それなりに人手が掛かってくるところです。浮気調査はこういったように単にある日のある場所で写真を撮るということではないため、相手の状況に応じて時間を要するものになりがちなのです。
人探し、行方調査、所在調査
次に浮かぶのが人探しや、行方調査と呼ばれる、どこに行ってしまったか分からない相手を探す調査です。 行動調査とは大きく異なり、調査方法が地道かつ幅広い情報網を必要とします。 人探しが必要になるケースとしては対象者が自殺を考えている等の一刻の猶予もゆるさない状況もありえるため、調査としては非常にシリアスになる場合もあります。 若年層が非行に走っていなくなるケース(いわゆる家出)、学業の失敗や就職の失敗から将来を思い詰めてしまって失踪してしまうケース、 事業に失敗して将来を悲観してしまうケース、うつ病のような症状で疾走してしまうケース。こういったケースでは調査にはスピードが必要となります。 一方で、かつての恩師を探したい、初恋の人を探して欲しい、生き別れた兄弟を探して欲しいといったケースでは逆に調査に時間を要することが多く、 失踪されてからどの程度時間が経過しているかによって発見出来るかどうかの難しさが変わってきます。 人探しの調査を行うことが出来る探偵社は実のところ数が少ないのですが、 それはこういったスピードや発見できるかどうかの難易度の高さが関係しており、人探しの専門部署を設けている企業などは特に調査力に自信をもっている探偵社であるといえます。
企業調査
次に企業調査というのがあります。これは一般的に依頼するのは企業になります。 帝国データバンクや商工リサーチが企業調査の分野では有名ですが、こういった企業も下請けとして探偵社に調査依頼を行うこともあります。 また、近年では企業の情報漏えいなどを防ぐ目的で盗聴器発見の為の調査をやられる企業が多いとも聞きます。 企業が企業を調査するというのは、取引におけるリスクを回避するというのが最も大きな動機になるかと思います。 例えば資金の改修が出来なくなるとか、反社会勢力との取引がないかどうか、ビジネスの実態があるかどうか、そういったことを調べることができます。 近年では海外との取引が増えているため、海外企業の取引で騙されてしまっただとか、連絡が取れなくなったといった事件も起きており、今後さらにニーズが高まると思われます。
調査費用
費用の内訳
探偵の調査費用は基本的に調査を行う人の人件費が多くを占めています。それはつまり人がどれだけ動くかが分かればおおよその費用感が掴めるようになります。 またそれ以外に、調査にかかる経費というのも大きな要素です。交通費、ガソリン代、そういった移動の手段に掛かるものだけでなく、 対象者が飲食店に入れば調査員も同じように飲食店に入る必要があるケースもあります。また、例えば内偵調査と呼ばれる、 お客になりすまして対象者に迫るものもあり、調査の精度をより高めるためにはこういった経費が掛かる場合もあります。 ですので、とりあえず数万円で調査ができるとは思わない方が良いでしょう。 基本的には数十万円から百万円以上まで掛かるケースがあるということをイメージしておいた方が実際の予算感としては近しい金額です。 もちろん、特定のピンポイントでの調査だけであれば数万円というのも成り立つと思いますが、”浮気しているかもしれない相手”を探る時に、 毎回不貞している現場を押さえられるとも限りませんし、尾行や張り込みは一人より二人の方が精度は高くなります。そうなるとなかなか数万円というわけにはいかなくなるのも現実です。
探偵社を選ぶ時に見るべきポイント
調査力
調査力の具体的説明
探偵社を選ぶ時に必ずといって良いほど出て来るフレーズに”調査力”というのがあります。探偵社に依頼する以上、しっかりと調査を行ってほしいですし、 浮気調査であれば裁判での証拠として使える内容であって欲しいことは間違いありません。では調査力の良し悪しとは一体どんなことなのでしょうか。 探偵社によっては最先端の調査機材を自慢げに掲載しているところもありますし、あるところは調査車両の豊富さを押し出しているところもあります。 もちろんそれぞれは確かに必要な面もありますが、もう1つ大切なことはノウハウではないかと思います。 尾行1つとっても当然ながら、見失ってはいけませんし(失尾といいます)、対象者に発覚してもいけません。周囲に怪しまれないようにきちんと追い切り、 かつ証拠も押さえるには調査員のセンスもさることながら、どれだけ多くの経験を踏んだノウハウがあるか、ということも重要になります。 これは一人の調査員の動き方ということだけではなく、ケースに応じて複数人で尾行するケースもあるでしょうし、 個人事務所のような探偵社にはなかなか対応が出来ない部分ではないでしょうか。
記事の冒頭で探偵社は国内に5,000社あると記載しましたが、そのほとんどが個人経営の探偵事務所です。 組織化されている企業は非常に少なく、きちんとした品質で調査を行っている企業は一握りです。 ネット上ではいくら上手に表現が出来ていても、実態は経営者と数名程度の企業であったり、 レンタルオフィスだけの零細企業で調査力なんて磨きようもない探偵社も数多くあります。 ですので、”調査力”とうたっている企業はまず、ある程度の規模感があるかどうかを見ることが1つのポイントです。 もちろん、小さな事務所でも少数精鋭の企業もあるとは思いますが、組織化されている企業はそれだけの案件数をこなしていることや、 その結果としてノウハウが溜まっていき、かつ現場の調査員も常に調査に触れていることで感覚が研ぎ澄まされている”可能性が高い”と考えられます。 その為、規模感を1つの判断基準とすることは理にかなっていると思います。
また調査力に関して特に差が出やすいのは、人探しに関してです。こちらも先述の通り居なくなってから時間が経っているケースや、 手がかりが少ないケースは特に調査が難しく、探し出せるかどうかは企業ごとのノウハウが勝負を分けることになります。 今の時代、インターネット上の足跡を探していくためにはネットリテラシーだけではなく、 パソコンのデータ解析なども含めた手がかりを見つける技術も必要です。もちろん、足を使った捜索も必要になりますが、 時代にあった捜索方法をどれだけ習得しているかによって、発見できる率があがることは言うまでもありません。 そういった観点においてもある程度の組織力と教育体制のある企業体で無ければ技術を研鑽させることは難しく、ここでもやはり規模感は1つの判断基準となります。
付帯するサービス
カウンセリング
探偵社を探すと調査力だけでなく”カウンセリング”を訴求している企業が多く出てきます。 一見すると不要にも思えるサービスですが、実際のところはどうなのでしょうか。カウンセリングと一言と言ってもそのサービス内容は多岐に渡るようで、 営業職を兼ねている・各種手続きを担当している・調査員とのコミュニケーションの窓口になっているなど、 事務面でのサポートというのも担っているケースが多いようです。ですが、最も重要なポイントとしては顧客の心理サポート、というところになります。 調査を依頼するタイミングは実際に自分自身がなってみないとわからないと思いますが、非常に精神的に不安定になっています。 まず、自分自身が置かれた状況を誰かに伝えたい、相談したい、そういった不安をいだいた方が多いのではないでしょうか。 浮気をされて、あるいは、家族が行方不明になって、そういった状態で明日の自分が想像できないとなった場合、 きちんと状況を整理して導いてくれる相手がいると大変心強いものです。また、浮気調査の場合いおいては仮に証拠を掴んだ状況で、 その証拠を使ってどういう対処を取るべきか普通の人にはわからないと思います。弁護士さんへ相談するのも良いかもしれませんが、 法的な議論をする前にどういう戦い方をすればより自分の幸せに繋がるのか。離婚を選択しなければならないのか、 あるいは愛人と別れさせる為に活用すればいいのか。人の状況によってとり得る手立ては様々です。 そういった場合に多くの引き出しをもったアドバイザーが居てくれることの心強さは、想像に難くないと思います。 ただ、こういったサービスが必要のない方もいらっしゃるのも事実です。 証拠さえ撮ってもらえたらあとはああしたい、こうしたい、といった道筋をご自身で描かれている方には不要かと思います。 ですので、これらカウンセリングの必要有無は予め内容を把握した上でご自身で取捨選択されると良いかもしれません。
専門家のサポート
探偵社のホームページを見渡すと、何故か弁護士との連携をうたっているところが多く出てきます。 また外部のXXカウンセラー所属、あるいはご紹介可能といった表現がよく出てきます。 これは何かというと、特に浮気調査の場合に調査後の交渉事がどうしても弁護士でないと出来ない法律が絡んだ話になりがちだからであり、 実際に探偵事務所が懇意にしている弁護士さんを紹介してもらえるというものです。これは非常に意味のあるサービスだと思います。 何もツテがないよりはご紹介頂く方が安心ですし、何より新規で弁護士さんに相談しようとすると大抵、30分で5,000円といった相談料を取られます。 探偵事務所からの紹介の場合、初回のみ無料相談が出来るケースもありますので、そういった機会はぜひ活用されたほうが良いでしょう。
といったように多くの探偵社で何らかの形で紹介してもらえる弁護士事務所ですが、1点、ポイントがあります。 それは弁護士さんとの相性というのが必ずある、ということです。私も過去に経験した裁判にて実は何人もの弁護士さんとお話しをしました。 経験を積むほどに弁護士さんといえども中身は人対人のコミュニケーションなんだなということに気が付き、 自分に合った弁護士さん、自分を本当に味方してくれる弁護士さんに依頼をしたいと考えるようになったのです。 その為、1つの事務所だけではなく、複数の事務所を訪ねましたし、それなりに骨の折れる時間を過ごしました。
そういった意味で、単に弁護士事務所を紹介できる、と謳っているだけの探偵社ではなく、 “どれだけ多くの弁護士事務所と連携しているか”という観点も取り入れて頂くと良いかと思います。 多くの弁護士事務所との連携をしているというのはこういった弁護士相談の実態をしっかりと把握されている証拠であり、 それだけ顧客視点にたったサービス提供を行っている企業だからです。単に調査会社として手広く見せたいが為に広告のように弁護士事務所を載せているのではなく、 顧客サービスの満足度を上げるために選択肢を多く用意していることは非常に大きな安心感を生むと言えます。
調査料金
調査費用が様々な理由
探偵社をさがす上で欠かすことが出来ない観点は料金です。分からない業界がゆえにとても高いのではないか、不安がつきものです。 料金がホームページに明記されていないことが多いため、不安を煽ってしまっているのではないかと思います。 なぜ明確な記載がされていないのでしょうか。
本来であれば例えば、
・浮気調査:50万円
・人探し:100万円
といったように”商品価格”がパッと分かりやすい金額で記載されていれば分かりやすいと思います。 ですが、これまでにも書きましたように調査の内容によって人が動く時間が変わってきます。 これはまず依頼者から提供される情報がどの程度なのかによっても変化します。 仮に、浮気相手を把握した状態でパートナーの行動パターンも把握されているケースと、 浮気相手が誰だか分からない状態で更にパートナーの行動パターンも会社に行っている以外は分からないといったケースでは、 情報量に大きな差が出ます。前者では相手との接触の可能性と不貞に繋がりそうなタイミングがおおよそ特定しやすいため、 ピンポイントでの調査が可能となってくるでしょう。
一方で後者の場合はまず対象者の行動をある程度把握する調査が必要となりますし、 不貞を押さえることが出来た後に、不貞相手が誰なのかを特定する調査も必要になります。 これは主に裁判に繋がるようなケースでの話ですが、いくら不貞を押さえることが出来ても相手が誰だかわからないとそもそも訴えることが出来ません。 細かい話ですが訴状を送る先の住所なども必要になります。 そうなると同じ浮気調査でも実施する範囲や期間が大きく異なってくる訳です。 前者の場合、数十万〜、後者の場合は100万以上は間違いなく掛かる調査となります。
探偵社に問い合わせをするとどこの企業でも費用感は教えてくれません。 これは嫌がらせで言わない訳ではなく、上記のとおりに状況によって大きく変わってきてしまうからなのです。 大体50万円ですよ、と伝えてしまったばかりに、依頼者のもっていた情報からはそんな金額では調査できないという 結果になってしまうと不利になるのは依頼者の方なのです。なお、 より詳細な料金の説明は【探偵の料金とは?】騙されないための探偵の選びかたでも書いておりますので是非御覧ください。
費用で見た選び方
情報によって費用が変わるのは良いとしても、あとは問題となるのが、
・時間単価
・経費の扱い
・成功報酬
・付帯サービスの費用
こういったところになります。どの企業でも基本的には上記の項目が積み上がったものが調査費用になっています。 最近の探偵社で「結果が出なければ0円」と謳っている業者がありますが、あれは浮気をしていなかったら0円という訳ではなく、 簡単に言えば「会社側のミスで調査に失敗したらお金は取りません、 浮気をしていなかった場合は浮気をしていなかったという結果を取りましたのでお金は頂きます」 というもので、実態としては何らこれまでの調査費用と変わりません。
まずは時間単価から見ていきます。これは調査員が1時間あたりいくら掛かるのか、 という表現になります。数千円〜数万円と幅広いのが実態です。 なぜ幅広いのかというと、安いところは純粋に人件費だけを書いているため、 その単価費用以外に経費や付帯サービスの費用が別で請求されるということになります。 一方で高いところは調査単価の中に複数人までの費用を含めていたり、 その他付帯するサービス費用が含まれているといったイメージです。
ここは人の価値観、考え方で選べば良いと思いますが、事細かく明細を見たい方は前者、 細かい話は不要なのでしっかりとしたサービスを提供してもらいたい人は後者を選べば良いのですが、 ここで見ておかなければいけないのが、1時間あたりの単価を書いていたところで、 実際に1時間単位で依頼ができる訳ではないというところなのです。 ここが非常に依頼者にとって分かり難い部分かと思います。 実際には1時間程度で調査結果が分かるわけではなく、大抵の企業で最低の依頼時間単位というのがあります。 4時間だったり、6時間だったり、8時間だったりします。ここは調査会社の考え方に基づいたものであり、 依頼する際はそこが自分にフィットするかどうかを見られたら良いのかと思います。
ただ、忘れてはいけないことは「調査の失敗は許されない」ということです。 浮気調査で失敗してしまった場合、相手にバレてしまったら更に状況は悪化するでしょうし、 人探しで失敗すると最悪なケース、人の死にすら繋がる可能性があります。 探偵業界は競争が激しく、広告ではいかに安く見せるか競い合っていますが、 価格競争が起きた結果、サービス品質の低下が起きるというのは世の常です。 家を建てるときに「安かろう悪かろう」では許されないのと同じように、 調査においても品質がしっかりしているのかどうか、ここの見極めを大前提として、 費用の高い安いを見極める必要があります。その為、まずは、
①きちんと調査実績がある会社かどうか ②それを証明するものが第三者によって示されているかどうか ③その上で費用に納得できるかどうか
こういった3段階で考えることをお薦めします。 探偵社のホームページでは、年間XXX件の調査実績がある、創業XX年、売上高XX円、 といったような実績を掲載している企業がありますが、 その多くは依頼者にとってはまったく関係のない話です。 ですが、一方でその調査品質がしっかりとしているからこそ、 実績を積んで営業を継続できる訳であり、きちんと評価すべきポイントであることは間違いありません。 ネット上では広告費を掛けて集客しているから売上が高いんだ、その分が調査費用に乗っかっているんだ、 といったことがよく書かれていますが、私の経験上、 そういった他社批判に終始している企業はそこしか言えることがない訳で、 実績の無さや実力の無さを物語っているとも言えます。そういった企業で痛い目に遭い、 大手企業に少し高かったものの実際に救われた私としてはそう見えてしまうのです。 もちろん大手でも失敗はあると思いますが、失敗する可能性は大手ほど低くなるのだと考えられます。
さて、単価の話に戻りますが、時間単価を書いていても実際に依頼できる時間単位は各社様々であると書きました。 他にもその時間単価の中に調査員が一人だけなのか複数人なのかといった違いがあります。 ここはあくまでも最小単位で記載した方が”安く見える”ので一人あたり一時間いくら、 という書き方がスタンダードになっているようです。ただ、実際の調査は一人できるかというとそういうわけではなく、 各社必ず最低でも2名以上の人員で調査を行いますので”表示された金額の通りではない”ということだけ気をつけておきましょう。 また逆に一人あたりの表記をしていないケースもあります。こちらは予め複数人の調査を前提に予算を組んでおり、 かつ調査経費も含んでいるというものが多くなります。不要に料金が大きくなる、というふうにも思えますが、 先ほどの通り、単純に表示上の金額を安く見せるために削ぎ落とした金額を書いているだけの可能性もありますので、 調査における”総額を意識すること”が大切です。 ホームページでは単価で書いてあったが見積り相談に行ってみると ある程度の規模感がまとまったパック料金を提示されたり、 完全にカスタマイズされたプランでお見積りが出てきたりと様々です。 その為、金額については各社に一度話をして比べてみるのが良いでしょう。
そのうえで、カウンセラーさんがついて心のケアや今後の戦略を一緒に考えてくれるサービスであったり、 弁護士事務所との連携があったりと、付帯するサービスと費用とを考え、ご自身の目でお選び頂くのが良いのではないでしょうか。
失敗しない探偵社
最後に失敗しない探偵社について書きたいと思います。 いずれもあくまでも失敗しない”可能性が高い”ものを選んでいます。 私にとってピッタリでも、他の人にとっては合わないサービスという可能性もあります。 私にとっての”失敗しない”とはきちんとした結果を得られて次の道を開けるかどうか、です。
そういった意味で、
①調査力:現場の数と組織力、教育体制などを考えて大手企業をお薦めします。
② 付帯サービス:証拠があるだけでは何も出来ませんので、いろいろなサポートしてもらえる体制をお薦めします。
③費用:サービス内容と”調査総額”で考えてご自身に合うものを選ぶのがお薦めです。
こういった観点でお選びいただくと間違いないのではないかと思います。 且つ、そのうえで「調査の失敗は許されない」ということ、しかるべき組織で対応力のあるところをお選びいただくのが良いのではないでしょうか。
出来ることなら探偵に調査を依頼することなんて、自分の人生に無い方が良いでしょう。 ですが残念ながらそうなってしまった時に、不幸の上塗りをしてしまわないように慎重に選びたいものです。 探偵社のホームページにはいろいろなことが書かれていますが、実際には伝わりづらかったり、何か意図があって書かないのかな? という風に邪推したくなるようなことも多く、選びづらい状況であることは否めません。 出来ることならばご自身で何社か話を聞いてみて、実際に足を運んでみて相性を見てみるのが望ましいですが、 なかなか勇気のいることですし選ぶ観点がよくわからない中で足を運ぶというのも怖いことです。
是非この記事を参考に皆さんにとってどういう観点で選ぶべきかの1つの指標になればと思いますが、 大切なご自分の人生をしっかりと切り拓いていくためにも、自分に合う会社、 自分に必要なサービスが何かをしっかり見極めるという意識もぜひ持ったうえで臨んでいただければと思います。